2014年12月28日日曜日

2014年の振り返りと2015年の目標設定

2014年のパフォーマンス

まず、ターゲットとして最も重視している貯蓄率(手取り収入に対する純資産の増加率)は、148%と目標である57〜62%を大幅に上回る結果となりました。前年に続き、勤労所得(税金・社会保障費等控除後の手取りベース)以上の純資産増加となりました。

一方、現時点のキャッシュ比率は19%に止まっており、25%としていた目標を大きく下回りました。新規投資を抑制したため、前年末時点に比べると僅かに上昇しましたが、円安・株高によるリスク資産の評価額上昇に追いつきませんでした。特に、下半期の急速な円安進行が誤算でした。

同様の理由から、外貨資産比率も7割超と想定よりも高い水準となっています。ドル高により外貨資産の増加スピードが速く、日本円の蓄積が遅れています。

この結果、総資産から負債を控除した純資産は、2013年末対比で+77%増加しました(ドルベースでは+53%)。

調整がほとんどなかった1年

年初の1月に新興国からの資金流出を嫌気した株価の調整がありましたが、その後は殆ど調整といえる調整がなかった1年でした。エボラショックやら逆オイルショック(笑)などと世間は色々と騒いでいましたが、2月以降は1度も貯蓄率が100%を下回らない(勤労所得以上に資産が増え続ける)という信じ難い1年でした。

売買を振り返ると、海外株ではBRK.B、PEPを買い増しし、ADM、ADP、DOW、ORAN、AZN(一部)を売却しました。海外株は全体で買い増しとなりましたが、むしろ、今年は日本株への投資を増やした1年でした(多くは食品や小売企業への投資です)。

2015年の目標と現時点でのイメージ

2015年の目標は、①貯蓄率を59~64%、②キャッシュ比率を25%とし、基本的に現在のスタンスを維持する形です。

しかしながら、昨年や一昨年とは異なり、相場環境に対しては徐々に警戒感を高めています。世間では徐々に陶酔感が漂い始め、株式投資は報われて当然との認識が広がっているように見受けられるからです。

また、(これまで幅を利かせていた)アメリカ経済の先行きを疑問視する声はかき消され、総強気モードになりつつあるようにみえます。瞬間的にせよ、GDP成長率5%という数字をみせられると仕方ない気もしますが・・・

私もアメリカ経済に対しては基本的に楽観派ですが、株式市場に対しては中立の立場に変わりつつあります。バリュエーションをみると株価上昇余地はそれ程大きくないと思えますし、FRBが引き締めに動き始めていることを考えると、クライマックスは徐々に近づいている気がします。

現在の株価水準が維持されるのであれば、NISAの枠内程度の投資にとどめ、基本的にはキャッシュ待機することを考えています(既存銘柄を売ることは基本的にしない)。あと、エネルギーセクターの調整がさらに進んだ場合は投資を再開するかもしれません。

相場が好調すぎてやる気の出ない1年でしたが、来年も引き続きよろしくお願いします!2015年が皆さまにとってよい年となりますように!!

2014年12月2日火曜日

2014年11月末の資産状況

とうとう原油が下がり始めた

今月も円安が進み(1ドル111円→118円)、円ベースでみた資産額を押し上げました。これはこれで相当な変化ですが、今月のメインイベントは原油価格の下落(1バレル78ドル→65ドル)でしょう。OPECが減産しない方針を明らかにしたところ、先行きの供給過剰が意識され原油価格は大きく下落しました。背景には、世界最大の産油国であるサウジアラビアがアメリカの原油生産の急増を抑えるため、価格下落を容認したのではと伝えられています。

私自身は、1年ほど前に投稿したように(下記リンク参照)、原油価格の先行きには弱気です。1バレル100ドルを超える水準は到底維持できないと考え、投資を抑制してきました。このため、現時点の原油生産企業(XOM、CVX、COP、PBR)への投資比率は4%弱まで低下しています。

http://originalpension.blogspot.jp/2013/11/blog-post.html

世界で最も競争力のあるサウジアラビアが本気になってしまったのですから、採掘コストの高い企業から淘汰が進んでいくことになるのは間違いなさそうです。もちろんアメリカのシェール企業だけではなく、他国企業にも影響は及ぶでしょう。

また、調整が短期間のうちに完了するとはみておらず、長期に渡ることも覚悟する必要がありそうです。このため、個人的には焦って買う必要はないと思っています。1バレル60ドル前後であれば当面のフェアバリューかな?と考えていますが、アメリカの原油生産が頭打ちになるまでは反発はないでしょうから、当面は様子見しようと思っています。

結局は、エクソンモービル(XOM)あたりのオイルメジャーの競争力が再確認される展開になるのかもしれませんが、シェール企業の意外な生産性に驚かされる展開があれば面白いですね。

今月の売買

キンバリー・クラーク(KMB)からのスピンオフ(Halyard Health)がありましたが、それ以外は売買なし。年内は、NISAの残り枠を使って終わりになりそうです。

今年も残り僅かですが、引き続きよろしくお願いします!

【貯蓄率(57〜62%が目標)】
+344%
 ※貯蓄率は、手取り収入に対する純資産の増加率と定義

【純資産の先月末比】
・円ベース +13.4%
・ドルベース+6.7%
  ※純資産は、総資産から負債をネットアウトしたもの

2014年11月22日土曜日

円資産が増えても豊かになっていないという現実

アベノミクスが始まった直後の2013年2月に下記の記事を書きました。


当時の日経平均は11,000円程度で、現在は17,000円です。確かに甘利大臣が予想した通り、名目上の株価は上昇しました。しかし、円安になり、消費税が増税されました。
はっきり言いますと、日経平均が円ベースでいくらになろうが、私は興味がありませんし、本質的にあまり意味がないことだと思います。13,000円だって別に難しいことではない。円安になれば、株や実物資産の(表面)価格が上がり、現金の価値が下がるのですから。我々が有する実質的な購買力が上昇しなければ意味がないのです。本質的な経済成長とはそういうものだと思っています
これが経済成長でしょうか?円の価値を引き下げ、名目上の資産を増やし、その隙に消費税を増税することが何の役に立つのでしょうか?そうですね、財政再建には大いに役立つでしょう。結局、実質賃金は下がり、実物資産を保有しない大部分の日本人の生活は貧しくなっています。まあ、実際GDPはマイナス成長ですし、経済成長していないのですが。
資産を守ることができても、嬉しいわけではありません。大きな流れをみれば我々は貧しくなっている。しかし、政治家は原発事故の際に国民を騙したように、インフレになっても賃金が上がって消費が増えれば…とか希望を持たせることばかりしか言わない。こうした光景をみているのは、あまり気持ちのいいものではないですね。
閑話休題 。

私は普段のポートフォリオ管理に、①Google finance、②FINANCIAL TIMES(FT)、③Morningstarの3つを併用しています。すべて無料のサービスです。メジャーなところだと思いますが、みなさんはどのようなツールを使っているのでしょう?

それぞれ、長所と短所があるのですが、②FINANCIAL TIMES(FT)は意外におすすめです。何がおすすめかといいますと、任意の通貨ベースでの資産推移をグラフ化してくれる機能が気に入っています。

円でみると資産がすごい増えてるけれど、ドルだとまぁ普通だねと考えることができて、最近の急激な円資産の増加に対しても冷静でいることができるのです。

ちなみにGoogle financeでも同様の機能はあるのですが、保有銘柄が増えてくると正常にグラフが表示されなくなってしまいました。また、配当金再投資に対する機能がFINANCIAL TIMESやMorningstarに比べると弱いですね。

2014年11月3日月曜日

2014年10月末の資産状況

今月を振り返ると・・・

何が理由だったのかよく分かりませんが、中旬にかけて円高・株安が進行しました。おそらくアメリカの機関投資家やヘッジファンドあたりが、「なんとなく割高感があるよな。5年以上上げ続けてるし、少し売っとくか。」、ぐらいの理由から調整したのではないかと想像しています。その後、月末にかけてアメリカのQE3の終了決定があり、立て続けに日銀の追加緩和と、GPIFの資産構成見直しの公表で一気に雰囲気が変わりました。メディアも「円安の負の側面が!」とか言いながらも、ウキウキモードでの11月入りとなりました。

最近、毎月のように言っている気がしますが、着実に景気サイクルは進んできていると感じます。

特に、GPIFに関する議論をみていると、結局、株高時にさらにリスク資産を積み増し、株価上昇をさらに加速させる構図ですね。長期投資の権化であるべき年金基金がこのような投資行動をしているようでは、日本の投資リテラシーが疑われても仕方ないのではないでしょうか。個人的には、次の不景気時にリバランスするか、少なくとも5~10年ぐらい時間をかけるべきと考えていますが、それよりも短期間のうちにたんまり株式と海外資産を買い込んでしまうのではと懸念しています。

メディアに出てくるような外国人投資家は、GPIFの投資方針の変更を好意的に捉えているように見えますが、心の中では笑っていると思います。私たち日本国民にできることは、今回こそ高値つかみにならないことを祈るぐらいでしょう。

今月の売買

今月はバークシャー・ハサウェー(BRK.B)を買い増しするともに、国内の食品株でNISA枠を消費しました(まだ枠は半分ぐらい残っている)。年末時点でキャッシュ比率を25%にする年初の計画と比べると、キャッシュが不足気味の状況が続いていますので、ぼちぼちキャッシュを増やしていこうと考えています。

今年も残り僅かですが、引き続きよろしくお願いします!

【貯蓄率(57〜62%が目標)】
 +179%
 ※貯蓄率は、手取り収入に対する純資産の増加率と定義

【純資産の先月末比】
・円ベース +5.0%
・ドルベース+3.3%
  ※純資産は、総資産から負債をネットアウトしたもの

2014年10月5日日曜日

2014年9月末の資産状況

10月入り後から相場がよく動いていますね。さらに本州に台風18号が直撃ということで、今週末は自宅でゆっくり過ごしています。雇用統計が出ましたが、失業率が5%台に突入したところをみると、景気循環はコーナーを回った可能性が高いですね。

さて、9月を振り返ると為替がよく動きました。ドル高と円安が同時に進行し、対ドルでは6%弱の円安となりました。このため、円ベースの純資産は大きく増加しましたが、円預金等はドルベースで価値を減じてしまいますので、ドルベースの純資産は微増となりました。

ドル相場に対する考え方

良い機会ですので、現時点での為替に対する私自身の考え方を整理したいと思います。大前提として、為替の予測は大変難しく、短期ではほぼランダムに動くと考えており、短期売買はギャンブルでしかないと思います。一方で、長期的には金利差を映じた変動をすることが知られています。特に、ドル円相場では、アメリカの利上げ・利下げの影響を強く受けます。もちろん日本の利上げ・利下げの影響も受けますが、長い間動いておりませんし、しばらく利上げは考えられませんので重視されていないのが実情でしょう。

昨年、今後はアメリカの利上げが織り込まれドル高が進行すると予測し、2015年時点で外貨(ドル)資産比率がほぼ50%になるように、ドルを買い建てました(現時点での外貨資産比率は8割弱)。その際、2015年時点で、ドル円相場は1ドル=110〜115円程度になると予想していました(為替の水準は当たらないのでブログに書いたことは一度もありませんが)。

しかし、2014年9月時点で既に110円台に突入し、予想よりも円安の勢いは強そうです。これは、アメリカのインフレ率が低位であることや日本の貿易赤字などが影響しているかもしれません。ただ、予想から大きく外れた動きとはなっていないので、為替ポジションについては何も動かさず、2015年まではこのままのポジションを取り続けるつもりです。2016年以降、ドル円相場がどう動くか現時点でまったくイメージはありませんが、既に日本国民からの反発が強いところをみると、再び円高へ反転するシナリオも捨て切れないですね。もちろんその逆(インフレ進行)もあり得るのですが・・・

株式投資ではアメリカの内需企業選好

株式投資においては、アメリカの内需企業はドル高の影響を受けにくいとの考えから、例えば、アルトリアグループやバークシャーハサウェイなどを選好して買い増ししてきました。ただ、既にアルトリアグループなどは割高感も出つつありますね。なお、グローバル企業とみられているコカコーラ、ペプシコ、ウォルマート、マクドナルドなどでもアメリカの比率はかなり高いので、ドル高だけでそれほど業績が悪化すると心配はしていませんが、多少は影響が出てくるかもしれません。

今年もあと3ヶ月ですが、引き続きどうぞよろしくお願いします!

【貯蓄率(57〜62%が目標)】
 +333%
 ※貯蓄率は、手取り収入に対する純資産の増加率と定義

【純資産の先月末比】
・円ベース +6.4%
・ドルベース+0.7%
  ※純資産は、総資産から負債をネットアウトしたもの

2014年8月31日日曜日

2014年8月末の資産状況

世間が株式投資で盛り上がると・・・

株式投資への興味が薄れます。含み益が拡大するのに合わせて、キャッシュ比率を少しずつ上げていくということは変わらない訳で、月に一度の報告すら億劫になっています。今月は文字通り何もしておらず、バークシャーが上がってきてるなぁとか、アルトリアはちゃんと増配してくれたなぁとか、なんだS&P500最高値更新してるじゃんとか、そんなぐらいしか考えていません。

コツコツと個別銘柄の分析は続けていますし、まだ買える企業もあります。どちらかというと日本株の方が気になる銘柄が多いです。米国株は安くもなく高すぎるわけでもないという感じですが、積極的に買いたいという気分にはならないですね。

明らかに景気は良くなっている訳で、通常は更なる株価の上昇、景気拡大、インフレ、金融引き締め・・・となるのでしょうが。どうなるのでしょうか。まぁ暫くは様子見でしょうか。


【貯蓄率(57〜62%が目標)】
 +143%
 ※貯蓄率は、手取り収入に対する純資産の増加率と定義

【純資産の先月末比】
・円ベース +5.2%
・ドルベース+4.2%
  ※純資産は、総資産から負債をネットアウトしたもの

2014年8月3日日曜日

2014年7月末の資産状況

難易度高まる株式市場

FRBの利上げ懸念を背景に、市場は調整ムードのようですね。成長期待と現実の成長余力のギャップを確認する市場メカニズムが働いているわけですから、健全な調整であると感じています。

『もはや成長余力は乏しい』と考える弱気派の力が強まり、強気派も様子見といったところでしょう。私自身も知見はありませんし、難易度は高まってきていると感じています。数年前までは株式は明らかに割安で、目をつぶって何を買っても暫くすれば報われるという環境でした。

しかし、そうした幸せな時代は終わりつつあります。現在は選別力と判断力が問われる状況です。企業の実績とバリュエーションの把握とともに、先行きを見通す力が試されていると考えるべきです。

相場がバブル的な様相を呈してくると、このような健全な市場メカニズムは崩れ、強気一辺倒に傾き、バリュエーションは無視されます。このような状況になると上昇相場は終盤である可能性が高いですが、バブル相場が長く続いた日本のような例もありますので、単に売れば良い訳ではないのが難しいところです。個人的にはまだ暫くは強気相場が続くと感じていますが、実際どうなるかは解りません。

現在の投資スタンス

これから年末までの投資スタンスとしては、キャッシュ比率を計画通り年末までに25%程度まで引き上げるために新規投資を抑制します。しかしながら取捨選択しながら株式の購入は続けるつもりです。

引き続きぞうぞよろしくお願いします!

【貯蓄率(57〜62%が目標)】
 +114%
 ※貯蓄率は、手取り収入に対する純資産の増加率と定義

【純資産の先月末比】
・円ベース +3.8%
・ドルベース+2.2%
  ※純資産は、総資産から負債をネットアウトしたもの

2014年7月6日日曜日

2014年6月末の資産状況

動かないことの価値

雇用統計も良好な結果となり、景気回復が鮮明になってきてますね。ダウは17000ドルを突破、日本株も強含んでいます。含み益がどんどん拡大してくると、利益確定して安全地帯に逃げ込みたい、という気持ちも芽生えてきます。しかし、事前に株価が上昇してきたときは、新規投資を抑制することでキャッシュ比率を引き上げると考えていました。一時の感情に流されることなく、利益確定よりも投資額を抑え気味にすることでキャッシュ比率を引き上げたいと思います。

再び、2014年上半期を振り返る

5月の時点で上半期の振り返りを掲載していましたが、これはミスです(笑)
正式な上半期の結果は以下のとおりです。いずれにせよ、資産運用面および支出面の両面で良好な結果となったと総括できそうです。下半期がどうなるかわかりませんが、冷静に生活できればよいと思います。

先月から付け加えることがあるとすれば、年明けから購入してきた日本の小売株がかなり上昇しており、こうしたことも最近は追い風になっています。

割安株がゴロゴロしていた時期は過ぎ去りつつありますが、長期的な視野に立ち、株式投資を続ける方針です。引き続きぞうぞよろしくお願いします!

【貯蓄率(57〜62%が目標)】
 +127%(2014年6月実績)
 +101%(2014年上半期実績)

※貯蓄率は、手取り収入に対する純資産の増加率と定義

【純資産の先月末比】
・円ベース +3.2%(2014年6月実績)
       +23.6%(2014年上半期実績)

・ドルベース+3.7%(2014年6月実績)
       +27.2%(2014年上半期実績)

 ※純資産は、総資産から負債をネットアウトしたもの

2014年6月1日日曜日

2014年5月末の資産状況

景気循環はピークに向かいつつある

アメリカのGDPマイナス成長に伴う、長期金利の低下傾向などにより為替レートが円高傾向となっているため、日経平均株価は殆ど動いていません。むしろ、その割には踏みとどまっている感があり(セルインメイを信用したわけではないですが・・)、多くの人が買いを意識していると感じられます。私自身は、現在の株価水準にあと30年ぐらい留まっていただくか、暴落して欲しいところなのですが、低インフレ(除く日本)・低金利が強力に株価をサポートしています。


今月の売買

今月は、ファイザーからの買収提案を受けて暴騰していたアストラゼネカ(AZN)を一部売却しました。また、買い増しはバークシャー・ハサウェイ(BRK.B)とペプシコ(PEP)で実行しています。今月15%の増配を発表したペプシコですが、飲料はもちろんのこと、スナックやシリアルなどの保有ブランドの際立った収益率に魅力を感じています。今後も、強力なブランド群からの収益が株主価値を高めてくれると期待しています。


2014年上半期を振り返って

はやくも2014年の上半期が終了し、下半期がスタートです。簡単にこの6ヶ月を振り返りたいと思います。

貯蓄率(手取り収入に対する純資産の増加率)は、95%となり目標の57〜62%を上回りました。このため、純資産も極めて順調に増加しました。この背景としては、日々の支出管理は当然として、外国株ポートフォリオが強敵S&P500並みのパフォーマンスを示し、日本株ポートフォリオも持ち堪えていることが挙げられます。

もうひとつの目標である、総資産に占めるキャッシュ比率については、現時点で18%となっており、年末時点の目標である25%対比で低水準となっています。これは、割安と思われる日本株をいくつか購入しているためです。割高にならない限りは無理に売却しないつもりですが、出来るだけキャッシュ比率を高めるように、購入判断をより厳しくする必要がありそうです。ポートフォリオに過度に割高となるものがあれば、躊躇なく売却することも必要でしょう。

短期的な動向に左右される事なく、長期的な視野に立ち、株式投資を続ける方針です。引き続きぞうぞよろしくお願いします!

【貯蓄率(57〜62%が目標)】
 +95%(2014年5月実績)
 +95%(2014年上半期実績)

※貯蓄率は、手取り収入に対する純資産の増加率と定義

【純資産の先月末比】
・円ベース +6.4%(2014年5月実績)
      +19.7%(2014年上半期実績)

・ドルベース+7.1%(2014年5月実績)
      +22.7%(2014年上半期実績)

 ※純資産は、総資産から負債をネットアウトしたもの

2014年5月4日日曜日

2014年4月末の資産状況

モメンタムからバリューへ

雇用統計はかなり強い内容だったようで、アメリカ経済は本格的に回復しているようです。経済への安心感が広がるにつれ、株式市場のボラティリティーも低下しています。これまで上昇していたハイテク株などのいわゆる『モメンタム銘柄』から『バリュー銘柄』へのシフトがみられており、景気回復が広がってきているように見受けられます。


日本株を買う

今月は、AT&Tやオートマチック・データ・プロセッシングを売却し、日本の目立たない小売株などを購入していました。引き続き、動けるうちに銘柄の選択と集中を進めていきます。2014年に入ってから、ふたたび日本株の購入を進めているため、外国株:日本株=2:1ぐらいまで比率が上昇しました。キャッシュ比率は2割弱であり、先月からほぼ変わらない水準です。

日本の状況は楽観しておらず、多くの人がそうであるようにどちらかといえばあきらめていますが、割安となりつつある企業もあると考えています。後述する通り、投資家があきらめはじめているから安くなっているのだとすれば、まだ安くなる可能性もあります(例えば、円安が続いたり物価が上がっても、株価横ばいなら実質的に割安になる)。なお、日経平均やTOPIXが割安だとは現時点でも考えていません。


日本がまともになるには株価低迷が必要

バブル期に日本の株価は不合理な水準に押し上げられ、バブルが崩壊してからも高止まりし続けました。日本人は株は割安だ!と信じ続けましたが、結局、株価は下落を続けました(株価が高いことはわかっていたが、経済がもたないので正しい株価であると考えた可能性もある)。

いずれにせよ、事後的にみれば高すぎたので、この20年間の日本株の投資収益率は最悪でした。しかし、経済に対する閉塞感やあきらめが広がるにつれ、株式投資の収益率は徐々に上昇し始めています。リスクに対する適切な価格がつけられることで、投資家はリターンを手にすることができるのです。

経済の活性化に必要なのは、年金基金に日本株を買わせることでもなく(受益者としても割高な日本株を買って欲しくはない)、当たりもしない収益予想を立てて金融知識のない日本人に押し売りすることでもありません。私は日本株はもっと安くなる必要があると考えています。政府は実態の伴わない株価上昇(人はこれをバブルという)を起こそうと躍起ですが、また起ったらもうダメかもしれません。


短期的な動向に左右される事なく、長期的な視野に立ち、株式投資を続ける方針です。引き続きぞうぞよろしくお願いします!

【貯蓄率】
・+130%(57〜62%が目標)
※貯蓄率は、手取り収入に対する純資産の増加率と定義

【純資産の先月末比】
・円ベース +4.6%
・ドルベース+5.1%
 ※純資産は、総資産から負債をネットアウトしたもの

2014年4月3日木曜日

2014年3月末の資産状況

米国株は上昇が続いているが・・・

S&P500は連日の最高値ですね。厳冬の影響が懸念されていましたが、徐々に景気への楽観論が台頭し、株価の上昇に歯止めが効かなくなってきている感があります。私自身も景気拡大はしばらく続くと思っていますし、マーケットはオーバーシュートするものなので、株価の上昇が続いても不思議はないと思います。

キャッシュ比率を小幅に引き上げ

3月中にアーチャー・ダニエルズ・ミッドランド(ADM)とダウ・ケミカル(DOW)を売却しました。ADMについては既に記事にした通りですが、DOWについては、株価に景気回復やシェール革命に伴う期待(?)がかなり織り込まれてきたと思います。実績を振り返ってみると、化学メーカーはどうしても景気の影響を大きく受けてしまいます。収益性も考慮し、長期的にホールドすべきかどうかを検討した結果、売却することにしました。

この結果、キャッシュ比率は小幅に上昇しましたが、依然2割以下なのでリスクをとっている状況に変わりはありません。株価が上昇したからといって、貯蓄率を引き下げることのないよう、気を引き締めていきたいと考えています。

引き続きどうぞよろしくお願いします!

【貯蓄率】
・+194%(57〜62%が目標)
※貯蓄率は、手取り収入に対する純資産の増加率と定義

【純資産の先月末比】
・円ベース +7.6%
・ドルベース+6.4%
 ※純資産は、総資産から負債をネットアウトしたもの

2014年3月23日日曜日

ADMとバイオエタノール

アーチャー・ダニエルズ・ミッドランド(ADM)を売却しました。

ADMは、穀物メジャーであるとともに、世界最大級のバイオエタノール製造業者です。このバイオエタノール事業の将来性に自信が持てなくなったのが主な理由です。

バイオエタノールは、とうもろこしなどの穀物を原料に石油製品を製造するもので、穀物と石油製品の価格差が収益源となります。このため、原油価格が穀物と比べ割高である時期は、基本的に儲かることになります。

2000年代に入り、原油価格が上昇することによって、バイオエタノールの採算性が高まりましたが、天候不順により穀物価格が高騰する際などには(過去記事はこちらを参照)、マージンが大きく縮小することになります。

私は、原油価格がさらに上昇するとは考えにくいと思っています。一方で、穀物価格は現状のレベルで安定するとは限らず、さらに上昇するかもしれません。いずれにせよ、両者の価格差によって収益性が大きく変動する事業構造であり、複雑だということです。

最近は、高騰していた穀物価格が下落していたことに加えて、原油価格は高止まりしていましたので、ADMにとっては追い風でした。おそらくこのような事情で、株価は上昇してきたのだと勝手に考えていますが、いずれにせよ過去と比べても割安感はなくなってきましたので、この機会に売却することにしました。

このように原油価格には弱気なのですが、予想はよく外れますので、原油ロングのポジションはエクソンモービルやシェブロンなどの石油メジャーで引き続きとっていくつもりです。

また、ADMに限らず、(石油メジャー以外の)素材企業全般で割安感はなくなりつつありますので、投資する際には注意が必要かもしれません。

2014年3月2日日曜日

2014年2月末の資産状況

銘柄の取捨選択とS&P500

フルインベストすべき時期は終わりを迎えつつあると考え、自分が投資している銘柄の取捨選択と今後の売買についての検討を続けています。投資を実行しても、その後の分析、投資に対する考え方の変化、(企業の実力に照らして)明らかにオーバーバリューされている場合などには売却することも必要であると思います。

最近、ウォーレン・バフェットは手記の中で、S&P500に連動した低コストなインデックスファンドへの投資を勧めていました(株主への手紙も公表されましたので、今日はじっくり読みたいと思っています)。

S&P500に連動したインデックス・ファンド(ETF)は現時点で、世界でもっとも低コストであると思われるとともに、構成企業をみても長期的な収益性、株主還元姿勢が抜きん出ています。このため、投資対象となり得る企業がゴロゴロ見つかるという状況で、構成企業は非常に強力です。このためかS&P500に勝ち続けることは困難といわれており、私自身のパフォーマンスも劣後しています。私自身は、将来ベアマーケットが来た際に、自分が理解できる事業でないと精神的に辛くなるという気持ちが強いので、現時点ではS&P500へのインデックス投資をしていませんが、値下がりしても売らずに、買い増しできる自信があるのであれば優れた投資方法であると思います。

今月の売買

Orange(旧フランステレコム)を売却しました。購入当時は配当利回りが10%を超えていたと記憶しており、表面的には割安感がありました。しかし、その後は国内の競争環境が激化するとともに減配が行なわれました。アフリカなど新興国にいち早く進出しているものの、長期的な収益力に自信が持てないため、売却を決断しました。目先の利回りに惑わされて失敗した典型例だと思います。

【貯蓄率】
・+157%(57〜62%が目標)
※貯蓄率は、手取り収入に対する純資産の増加率と定義

【純資産の先月末比】
・円ベース +4.8%
・ドルベース+5.2%
 ※純資産は、総資産から負債をネットアウトしたもの

2014年2月2日日曜日

2014年1月末の資産状況


アメリカに吸い寄せられる資本

新興国からの資金流出から、株価の調整が続いています。私は、アメリカに軸足を置いた優良企業への投資はより魅力的になっていると感じています。そもそも新興国から資金が流出するのは、アメリカの成長力が高まり、資本がアメリカに引き付けられているからです。

FRBがどうしたこうしたと言われますが、正しくは、経済成長の加速→金融引き締め→投資リターンの上昇が起きているに過ぎません。FRBの行動が経済を動かすのではなく、経済がFRBを動かしているのです。逆にいうと、実力以上の低金利を享受してきた新興国の貧弱なバランスシートを持つ企業は今後苦境に立つことになりますが、米国の優良企業においては、投資利回りの上昇(株価の下落)が期待できます。

インフレ調整後・税引後での購買力の維持を最重視する

私が株式投資をおこなうのは、長期的にみて、インフレ調整後・税引後のリターンが最大化できると考えているからです。残念ながら日本ではインフレ率も税率も上昇しており、購買力の維持が難しい環境ではありますが、世界をみるとインフレ率は落ち着いており、株式投資には有利な状況が続いています。

目的に見合う対象企業の目安

まず、長期的にビジネスモデルが陳腐化しないことが必須です。私の基準では過去30年間以上赤字を出したこのないような、安定した企業であることが理想であると考えます。そして、そのビジネスモデルの背景にある強味を理解できる必要があります。理解できない企業の投資判断をおこなえるはずがないからです。

こうしたある程度定性的にスクリーニングし生き残った企業の中から、長期的な1株当たり純資産(BPS)成長率と配当利回りを加えた『期待トータルリターン』および、バリュエーションとバランスシートの健全性を加味します。

この期待トータルリターン(1株当たり純資産(BPS)成長率+配当利回り)が長期にわたり、10%を超えている企業は優秀といえます。この20年で、コカコーラ(KO)やウォルマート(WMT)がおよそ13%を超える程度であるはずです。

日本企業ならば、1桁後半の期待トータルリターンを維持している企業は、優秀なビジネスモデルを有しているといえます(しまむらで10%程度です)。バリュエーションが適正で、ビジネスモデルが陳腐化しにくいと判断できるなら投資に値すると思います。

今月の売買

今月伊藤忠商事を売却し、日清製粉グループ本社を購入しました。伊藤忠は、非資源ビジネスを拡大していますが、実質的に資源会社であるうえ、多様なビジネスを抱えているため、私自身が株価や事業の方向性を評価出来ないとの結論に至りました。

日清製粉グループ本社は、本当に安定した企業で、私が調べた限りでは60年近く黒字決算を続けているうえ、既に述べた考え方による期待トータルリターンは7%を超えています。そのためか、バリュエーションも非常に安定していて、なかなか割安にならない企業ですが、今の株価水準なら許容できると考えました。


【新規投資】…1銘柄
日清製粉グループ本社

【配当金再投資】…13銘柄
Canadian National Railway、PepsiCo、Union Pacific、 Wal-Mart Stores、Automatic Data Processing、Kimberly Clark、Coach、Altria Group、GlaxoSmithKline、Philip Morris International、International Flavors & Fragrances、Mondelez International、Kraft Foods Group

【売却】…1銘柄
伊藤忠商事

【貯蓄率】
・▲168%(57〜62%が目標)
※貯蓄率は、手取り収入に対する純資産の増加率と定義

【純資産の先月末比】
・円ベース ▲4.6%
・ドルベース▲2.6%
 ※純資産は、総資産から負債をネットアウトしたもの

ポートフォリオ ~日清製粉グループ本社~

製粉最大手。加工食品の比重も高い。安定した収益力が際立つ。