2014年3月23日日曜日

ADMとバイオエタノール

アーチャー・ダニエルズ・ミッドランド(ADM)を売却しました。

ADMは、穀物メジャーであるとともに、世界最大級のバイオエタノール製造業者です。このバイオエタノール事業の将来性に自信が持てなくなったのが主な理由です。

バイオエタノールは、とうもろこしなどの穀物を原料に石油製品を製造するもので、穀物と石油製品の価格差が収益源となります。このため、原油価格が穀物と比べ割高である時期は、基本的に儲かることになります。

2000年代に入り、原油価格が上昇することによって、バイオエタノールの採算性が高まりましたが、天候不順により穀物価格が高騰する際などには(過去記事はこちらを参照)、マージンが大きく縮小することになります。

私は、原油価格がさらに上昇するとは考えにくいと思っています。一方で、穀物価格は現状のレベルで安定するとは限らず、さらに上昇するかもしれません。いずれにせよ、両者の価格差によって収益性が大きく変動する事業構造であり、複雑だということです。

最近は、高騰していた穀物価格が下落していたことに加えて、原油価格は高止まりしていましたので、ADMにとっては追い風でした。おそらくこのような事情で、株価は上昇してきたのだと勝手に考えていますが、いずれにせよ過去と比べても割安感はなくなってきましたので、この機会に売却することにしました。

このように原油価格には弱気なのですが、予想はよく外れますので、原油ロングのポジションはエクソンモービルやシェブロンなどの石油メジャーで引き続きとっていくつもりです。

また、ADMに限らず、(石油メジャー以外の)素材企業全般で割安感はなくなりつつありますので、投資する際には注意が必要かもしれません。