2013年11月30日土曜日

2013年11月末の資産状況

米国株は新たな時代へ

1990年代に割高となった株価が30年かけて修正され、ようやくレンジを突き破ることになりました。円安も加わって資産は大幅増となりました。いつかはくると判ってはいましたが、思ったよりは早かったという感想です。いったんレンジを抜けてしまうと連日の高値となりました。ダウは18000ドルまでいくとか、いきなり強気の見通しが出てくるところをみると、Mr.マーケットがいかに時代の空気に支配されてしまうものだということが分かります。

繰り返される歴史

しかしながら、変わらないこともあります。それは景気循環であり、楽観と悲観の繰り返しです。連日の高値をみて、焦って高値買いはいけません。そんなことは資産運用が職業である機関投資家に任せておけばよいのです。個人投資家は、何度も繰り返されてきた狂想曲をしばらく楽しみ、よい収益機会と捉えればよいのです。

大局的な視点で

現時点では、長くて数年間、強気相場が続くかもしれないと思っています。1〜2年ならともかく、5年もの間キャッシュ比率を高めに維持するのは精神的に苦痛です。だからこそ、この1年間はフルインベストを実践してきました。おかけで今後2年間、抑制的にしか投資をしないとしても、キャッシュ比率は5割程度に抑えられるはずです。また、外貨資産比率は100%弱(昨年末から今年初旬に構築したドルロングポジションを維持)となっていますが、円預金の増加に伴い、こちらも2年後にはニュートラルになるはずです。

来年は、抑制的に投資をおこないながら、次の景気後退について想いを馳せる年になりそうです。今年も残りわずかですが、引き続きよろしくお願いします!

【新規投資】…0銘柄

【配当金再投資】…7銘柄
General Mills、AT&T、Bristol-Myers Squibb、The Procter & Gamble、Abbott Laboratories、Colgate-Palmolive、Hormel Foods

【売却】…0銘柄

【貯蓄率】
・177%(55〜60%が目標)
※貯蓄率は、手取り収入に対する純資産の増加率と定義

【純資産の先月末比】
・円ベース +12.9%増
・ドルベース+8.9%増
 ※純資産は、総資産から負債をネットアウトしたもの

2013年11月17日日曜日

【書評】となりの億万長者 トマス・J・スタンリー、ウィリアム・D・ダンコ (著)、斎藤 聖美 (翻訳)



あまりにも有名な本ですが、素晴らしい本です。最近、持ち運びしやすい新装版が出版されました。年収と年齢から算出する期待資産額の式が有名ですが、今回はそれ以外のことを書きます。

資産家はなぜ資産家で居続けられるのか?ということを考えることができます。考えれば当然なのですが、資産家はあまりお金を使いません。ここでいう資産家とは、100万ドル(およそ1億円)以上の純資産を持つ人々と考えてください。本書では、


  • 資産家の8割は一代で財を築いている。米国では移民に億万長者が多いが、これは彼らが必死に努力した結果である。資産家の子供はむしろ資産を食い潰すことが多い。
  • 彼らは収入よりも遥かに少ない支出で生活する。そして、貯蓄や投資をおこなう。収入の約2割を有価証券に投資するが、有価証券を売ることはめったにしない。また投資に対してじっくり時間をかける。
  • 見栄や世間体を取り繕うよりも、お金の心配をせず、経済的に自立することの方が遥かに重要であると考える。自動車、時計、住宅などに必要以上のお金を使うことを嫌う。ロレックスよりもセイコー、レクサスよりもカローラである。高級ワインやキャビアなんてもってのほか、バドワイザーとサンドイッチが最高と考える。

などが資産家の真の姿であることが示されます。この辺りは、要するに資産家が倹約家(ケチともいうが)ということですね。お金の大切さを理解できなければ資産家にはなれないのです。また、


  • 資産家は、課税対象となる現金所得を最小限に抑え、含み益を最大化する。年間の総資産に対する税金の割合は10%を遥かに下回る。

ということも指摘されています。この点は非常に重要です。サラリーマンは源泉徴収されているので余り意識しませんが、税金は支出の中で最大級の項目なのです。資産が大きくなるに従って現金所得を増やしてしまう(お金を使う)と、税金が膨らんでしまうのです。

そこで、倹約家である資産家は、合法的に税払いを最小化します。それは、お金を使わない(消費税を払わない)、資産を現金化しない(キャピタルゲイン・配当税を払わない)ということです。金持ちは派手にお金を使うべきとか、金は天下の回りものとかいう価値観が刷り込まれていては、資産家には程遠いといわざる得ません。
 
もう少し具体的にいえば、株式の含み益が拡大したらこまめに利益確定だ!という行動は、率先して税金を納めているようなものであることを理解する必要があります。資産を売らなければ、その含み益は複利で増えていくと期待されますし、無駄使いされる(かもしれない)税金を払う必要がなくなるのです。思慮深い投資家ならば、持続的成長が期待できる株式を適切な価格で買ったら、永久ホールドが基本です。

2013年11月3日日曜日

2013年10月末の資産状況

米国デフォルトとMr.マーケット

結局、米国の財政問題を巡るマスコミの馬鹿騒ぎに対し、Mr.マーケットは踊らされませんでした。それどころか、S&P500は最高値を更新し続けました(驚きはありませんが、暴落を少し期待していた)。市場参加者が、ベアスタンスからブルスタンスへ移行していることは明らかです。株式が割安に放置されていることを、Mr.マーケットやトレンドフォロワーが理解し始めたということだと思います。

今月の投資行動

今月は、決算を受けて暴落したIBMに新規投資を実行したほか、バークシャーハサウェイを買い増しました。そのほか、ウェイトが低下している企業の株式も買い増ししました。バークシャーついては、ウェイトが1割程度にまで上昇しました(ポートフォリオ内で最大)。価格はフェアバリュー付近と思われ割安感はありませんが、当企業の経営方針・実態を理解すればするほど、保有しないことのリスクが大きいと考えるようになっています。株主をパートナーとみなし、資本を無駄にしない姿勢が貫かれています。

鬼が笑うかもしれないが・・・

少し早いですが、今年の株式投資(配当金再投資を除く)はおそらく最後となります。今年は、概ね年初に考えていた通りのスタンスで過ごすことができています。現在のキャッシュ比率は2割弱であり、それ以外の資産はすべて個別株式に投下されています。フィナンシャルプランナーの意見を完全に無視した、リスク許容度全開の資産運用を続けています。ブルマーケットでは、ロングオンリーを貫くこともなかなか大変ですから、私の胃袋が強靭でよかったと思います(これからの下げ相場で真価が問われる)。来年も株式の買い増しを続けるつもりではありますが、一部銘柄の選別をおこない、全体ではキャッシュを積み上げるつもりです。

なお、シェール革命などから、数年単位でみると原油価格は下落する可能性が高いと思っています。このため、最近オイルメジャーへの投資を控えています。しかし、弱気派の意見が価格に十分に織り込まれてからは、株式を買い増す好機が訪れるかもしれないと勝手に思っています(素人の妄想です)。

短期的な動向に左右される事なく、長期的な視野に立ち、株式投資を続ける方針です。引き続きぞうぞよろしくお願いします!

【新規投資】…6銘柄
Berkshire Hathaway、The Procter & Gamble、International Business Machines、Abbott Laboratories、UnitedHealth Group、Union Pacific

【配当金再投資】…13銘柄
Canadian National Railway、The Coca-Cola Company、Automatic Data Processing、Union Pacific、Kimberly Clark、GlaxoSmithKline、Companhia de Bebidas das Americas、International Flavors & Fragrances、 Altria Group、China Mobile、Philip Morris International、Mondelez International、Kraft Foods

【売却】…0銘柄

 【貯蓄率】
・167%(55〜60%が目標)
※貯蓄率は、手取り収入に対する純資産の増加率と定義

【純資産の先月末比】
・円ベース +6.0%増
・ドルベース+5.4%増
 ※純資産は、総資産から負債をネットアウトしたもの

ポートフォリオ ~International Business Machines~

おなじみIT産業の大御所。かつてはハードウェアの製造・販売もしていたが、最近はコンサルティング事業・ソフトウェア開発に特化。