2013年3月30日土曜日

2013年3月末の資産状況

3月も堅調な相場環境が続きました。預金封鎖をおこなったキプロスが大騒ぎでしたが、アメリカの景気回復と円安が株価を押し上げています。この間、フルインベストに近い状況だった(キャッシュが十分になかった)こと、相場にやや過熱感がみられていることもあり、新規投資はほとんどしていません。尚、下に書いていることとも関係しますが、株式の売却は一切なしです。

このように私は今月殆ど何もしていないので、今後どのように振る舞うべきか、ゆっくりと考えていました。完全にまとまってはいませんが、今考えていることを書いてみようと思います。

取るべきリスクと避けるべきリスク

考えていたことを端的にいえば、自分が積極的に取るべきリスクは何か、逆に避けるべきリスクは何かということ。短期的に株価に過熱感が出ているようにみえるので、自分は株式を売却するべきなのかどうか、この命題を通じて考えていました。

これまで述べている通り、私は生活防衛資金を保持した上で株式投資をおこなっており、株式の現金化を迫られるリスクは低いと考えています。株式投資は、長期的な資産形成が目的で、短期的な利益を追求していません。むしろ、短期的には株価が下がることを望んでいます。

こうした私が積極的に取るべきリスクが何だろうかと考えてみると、①長期的に永続し得る企業(=消えて無くなりそうもないビジネスを保守的な財務運営でおこなっている企業)の株式を、②歴史的にみて割安といえる時に買う、ということに尽きると思います。資本主義は、完璧ではないにしても人間の欲望という本能に基づいた効率的な資源配分のシステムであり、逃げることは出来ないと思っています。

逆に、避けるべきリスクは何でしょうか。少なくとも、歴史的にみて割高といえる時に株式投資をおこなうことは避けるべきでしょう。つまり、株式が適正価格であると判断できる際には、現金を持ちすぎないということです。現金は、換金性が最も高いというメリットはありますが、インフレ時は減価するという特性を持ちます。

インフレが起こったら、減価した現金の価値は二度と回復しない

現在、株価は力強く上昇していますが、日本株を除いて、そこまで割高とは考えていません。そして、日本では中央銀行と政府がインフレを人為的に起こそうとしています。実際は、2年以内にはインフレを起こせないかもしれません。ただ、歴史を振り返ってみて、日本政府が抱える水準の負債をインフレなしに返済できた事例を知りません。かなり先になるかもしれませんが、望まなくとも勝手に起こるでしょう。

ただ、日本だけがインフレになるかというと、それは分かりません。既に問題になっているヨーロッパだってそうですし、アメリカだってそうです。世界の多くの国は金融緩和とバラマキ財政によって、政府は借金漬けです。だから、ドルさえ持っていればよい訳ではないのです。

そんなとき頼りになるのは、実物資産しかありません。特に、株式や不動産などのキャッシュを継続的に生む資産は、一時的にインフレによる恐慌の影響などを受ける可能性がありますが、いずれ実質価値を取り戻すことができます。一方で、減価した現金の価値が戻ることは未来永劫ないのです。これがインフレが悪魔たる所以です。だから、インフレが起こると皆が思い始め、ひとたびその恐ろしさ知ると、もう誰にも止められなくなるのです。

長々と書いてきましたが、結局のところ現在のバリュエーション下での株価下落は、私からみると取るに足らないリスクです。

【新規投資】…1銘柄
Exxon Mobil

【配当金再投資】…19銘柄
Phillips 66、ConocoPhillips、Wells Fargo、Mattel、Eli Lilly、Chevron、Exxon Mobil、Norfolk Southern、Walgreen、3M、Mcgraw-Hill、Johnson & Johnson、 Archer Daniels Midland、Unilever、 Microsoft、McDonald、AstraZeneca、UnitedHealth、Gerdau

【売却】
なし

 【貯蓄率】
・175%(55〜60%が目標)
※貯蓄率は、手取り収入に対する純資産の増加率と定義

【純資産の先月末比】
・円ベース +14.4%増
・ドルベース+12.2%増
 ※純資産は、総資産から負債をネットアウトしたもの

2013年3月16日土曜日

アメリカ株史上最高値で思う

着実な上昇を続けてきたアメリカ株が史上最高値近辺に接近している。一足先にダウ30種は最高値を更新し、より広範なインデックスであるS&P500も最高値に接近してきた。

私自身は特別な感慨がある訳でないが、世間ではこれはバブルに間違いない!と言っている人もいれば、もっと上がる!と言っている人もいて、それなりに話題になっているので自分自身の考え方を簡単に整理したいと思う。

まず、結論から言えば、これは通過点に過ぎず、株価は長い目でみれば上昇を続けると思っている。だから何よりも株式を買い漁っている。

しかも、“直近20年間”と比べれば、“先行き20年間”の上昇ペースは加速すると思う(1年とか2年先の話をしていないことに注意!)。この根拠は既にこちらに書いた通りであるが、90年代中盤から始まった楽観的過ぎるバリュエーションの修正が終わりつつあるからだ。しかし、絶対的評価からすると、楽観モードから通常モードになったぐらいで、決して悲観モードまではいっていない。ただ、先行きもバリュエーションが悪くなり続けるとは考えにくいと思うわけです(本当はどんどん悲観的になって利回りが上がってくれると嬉しい)。

上段の対数グラフをみればわかる通り、2000年と2007年に大きな山があり、それを除けばほぼ同じ上昇率となっている。つまり長い目でみれば、結局、株価は同じペースで上昇してきたということになります。バブル(ファンダメンタルズからの乖離)とは、2000年や2007年のようなものをいうのです。この2度のバブルでこの間の投資収益率はひどく毀損された(まともな市場ならもっと安く買えた)。

以上は、私の現時点での考え方であり、当然のことながら信じる信じないは各人の自由で、さらにいえば別に信じて欲しい訳ではありません(高くなったら嫌なので)。ただ、信じられない方は、盛大に株式を売って欲しいと思います。そうすれば、私達は安く株を買い続けることができますし。

2013年3月8日金曜日

エクソンモービル入門

世間は雇用統計だなんだって騒がしいですが、私はやることがあまりないので、暫く個別銘柄について書きたいと思います。

昨日、エクソンモービル(XOM)を買い増ししました。この結果、セブン銀行やウォルマートとともに、ポートフォリオの主力銘柄となりました。

エクソンモービルは、株価が下落気味のアップルを抜き、現在、時価総額で世界一の企業となっています。このことの裏返しでもありますが、創出する利益がとんでもない水準となっています。下図にあるように、2008~2012年に創出したフリーキャッシュフローはおよそ1400億ドル、日本円にするとおよそ13兆円!!です。

また同社は、自社株買いを積極的におこなっています。最近4年間で実施した自社株買いは、配当の2倍以上にのぼり、総還元額はフリーキャッシュフローと同程度となっています(約13兆円!!)。

そして私が同社を買っている大きな理由のひとつが、効率性を示す様々な指標が同業他社を圧倒しているということです。同業対比で効率性が高く、財務体質が良好なエクソンモービルは私にとって魅力的な企業です。

2013年3月3日日曜日

2013年2月末の資産状況

2月も堅調な相場環境が続いています。日銀人事は正式には決定していませんが、金融緩和に積極的な人選がほぼ固まり、デフレ脱却(インフレ)路線がほぼ確定しました。

相場環境に目を向けると、円安に一服感が出ているものの、日本株はジリジリと上昇しています。一方、米国株は、史上最高値に向けて非常にゆっくりと接近しているという状況です。

しかし、ファンダメンタルズに目を転じると、両者の差は歴然であるように感じます。つまり、米国企業では利益が力強く増加しており、シェールガス革命によって強固な産業構造が出来上がりつつあります。一方で、日本企業は通貨安による景気浮揚と、財政出動による一時的な押し上げに頼ろうとしています。財政面をみても、米国は立て直しに向けて歳出削減に舵を切っており、一時的に景気を下押しすることはあるにせよ、長い目でみれば安定化に向かっているようです。

もちろん、日本もTPP交渉の参加など、ようやく構造改革へ歩を進め始めています。しかし、関税撤廃だけですべてが解決とはいかないのも事実です。労働規制、社会保障など、様々な点で、合理的な制度変更が必要です。

このように、私はいまだに日本経済を楽観的にみることができていません。むしろ、引き続き不安定化の方向に向かっていると考えています。本当に構造改革が行われるのか、否かを冷静に判断することが必要だと考えています。

投資行動・資産状況は以下の通りです。グローバル優良株を淡々と買い進めています。これまでのところ、堅調な相場環境と支出のコントロールの両輪がかみ合い、純資産の増加ペースは計画を上回る状況が続いています。今後とも、バブリーな相場に惑わされることなく、資産形成に努めていく所存ですので、引き続きよろしくお願いします。

【新規投資】
Mattel、Chevron、Wal-Mart、McGraw-Hill、アサヒグループホールディングス

【配当金再投資】
AT&T、General Mills、Companhia de Bebidas das Americas、Bristol Myers Squibb、Abbott Laboratories、The Procter & Gamble、Hormel Foods

【売却】
王子HD

 【貯蓄率】
・113%(55〜60%が目標)
※貯蓄率は、手取り収入に対する純資産の増加率と定義

【純資産の先月末比】
・円ベース +7.8%増
・ドルベース+6.3%増
 ※純資産は、総資産から負債をネットアウトしたもの