2012年6月26日火曜日

S&P500のPERと配当利回りの歴史を振り返る

S&P500のPERは、14~15倍で割高感はありませんが、歴史的にみればそれほど割安といえる水準でもありません。90年以降、株価はPERが20倍近辺で推移するという、割高な時代を迎えました。アメリカが絶好調で、誰しもが楽観的であった時代です。その後は、利益が伸びても、PERがじりじり低下し、株価は伸びにくくなりました。


先行き、どこまでバリュエーションが厳しくなる可能性があるのか、歴史を振り返り検討したいと思います。

1930年以降でみて最も厳しい時代は、①1945年~55年、②1975年~85年でした。この期間、PERは10倍を割り込み、8倍程度まで低下しました。そして、同時期の配当利回りは5%を超えています。こうした事実を踏まえると、現在の利益水準が変わらない場合、株価は最大4割下落する可能性がある、ということになります。逆に、おそらく数十年かけて利益水準が8割弱増加しても、株価が上昇しないという状況は否定できないことになります。

先行きの方向性として、PERはもう少し低下するのではないかと考えています。これは、欧州の状況が芳しくなく、投資家が積極的にリスクをとりにいく状況が想定できないためです。一方、アメリカの景気回復はしばらく続くと考えていますので、企業利益が増加を続けるという前提では、配当利回りは徐々に上昇するのではないかと思っています。

いずれにせよ、PERは人々のマインドが大きく作用する部分ですので、長期投資家は時間分散を図ったうえで、利益をキチンと確保できる企業に投資すべきだと思います。