2014年2月2日日曜日

2014年1月末の資産状況


アメリカに吸い寄せられる資本

新興国からの資金流出から、株価の調整が続いています。私は、アメリカに軸足を置いた優良企業への投資はより魅力的になっていると感じています。そもそも新興国から資金が流出するのは、アメリカの成長力が高まり、資本がアメリカに引き付けられているからです。

FRBがどうしたこうしたと言われますが、正しくは、経済成長の加速→金融引き締め→投資リターンの上昇が起きているに過ぎません。FRBの行動が経済を動かすのではなく、経済がFRBを動かしているのです。逆にいうと、実力以上の低金利を享受してきた新興国の貧弱なバランスシートを持つ企業は今後苦境に立つことになりますが、米国の優良企業においては、投資利回りの上昇(株価の下落)が期待できます。

インフレ調整後・税引後での購買力の維持を最重視する

私が株式投資をおこなうのは、長期的にみて、インフレ調整後・税引後のリターンが最大化できると考えているからです。残念ながら日本ではインフレ率も税率も上昇しており、購買力の維持が難しい環境ではありますが、世界をみるとインフレ率は落ち着いており、株式投資には有利な状況が続いています。

目的に見合う対象企業の目安

まず、長期的にビジネスモデルが陳腐化しないことが必須です。私の基準では過去30年間以上赤字を出したこのないような、安定した企業であることが理想であると考えます。そして、そのビジネスモデルの背景にある強味を理解できる必要があります。理解できない企業の投資判断をおこなえるはずがないからです。

こうしたある程度定性的にスクリーニングし生き残った企業の中から、長期的な1株当たり純資産(BPS)成長率と配当利回りを加えた『期待トータルリターン』および、バリュエーションとバランスシートの健全性を加味します。

この期待トータルリターン(1株当たり純資産(BPS)成長率+配当利回り)が長期にわたり、10%を超えている企業は優秀といえます。この20年で、コカコーラ(KO)やウォルマート(WMT)がおよそ13%を超える程度であるはずです。

日本企業ならば、1桁後半の期待トータルリターンを維持している企業は、優秀なビジネスモデルを有しているといえます(しまむらで10%程度です)。バリュエーションが適正で、ビジネスモデルが陳腐化しにくいと判断できるなら投資に値すると思います。

今月の売買

今月伊藤忠商事を売却し、日清製粉グループ本社を購入しました。伊藤忠は、非資源ビジネスを拡大していますが、実質的に資源会社であるうえ、多様なビジネスを抱えているため、私自身が株価や事業の方向性を評価出来ないとの結論に至りました。

日清製粉グループ本社は、本当に安定した企業で、私が調べた限りでは60年近く黒字決算を続けているうえ、既に述べた考え方による期待トータルリターンは7%を超えています。そのためか、バリュエーションも非常に安定していて、なかなか割安にならない企業ですが、今の株価水準なら許容できると考えました。


【新規投資】…1銘柄
日清製粉グループ本社

【配当金再投資】…13銘柄
Canadian National Railway、PepsiCo、Union Pacific、 Wal-Mart Stores、Automatic Data Processing、Kimberly Clark、Coach、Altria Group、GlaxoSmithKline、Philip Morris International、International Flavors & Fragrances、Mondelez International、Kraft Foods Group

【売却】…1銘柄
伊藤忠商事

【貯蓄率】
・▲168%(57〜62%が目標)
※貯蓄率は、手取り収入に対する純資産の増加率と定義

【純資産の先月末比】
・円ベース ▲4.6%
・ドルベース▲2.6%
 ※純資産は、総資産から負債をネットアウトしたもの

ポートフォリオ ~日清製粉グループ本社~

製粉最大手。加工食品の比重も高い。安定した収益力が際立つ。